しまった!!!
初ジャニーズの現場だったSixTONES単独ライブの感想も
初フェス&初SKY-HI現場だったロッキンの感想も
まだ全然書けていないのに!!!
(後記:投稿順は違うけど、こっちの下書きの方が先にできた)
パソコンに連なる9000字の文字群。
(後記:下書きに手を加えたら結局一万三千字で超えてるしw)
これはなんだ…
何が起きたんだ…
まず、東京滞在の最終日。成田に行く前に渋谷タワレコ*1でSKY-HIアルバムを大人買いしてしまったのが運の尽き(笑)
んで空港に向かいーの。
何はともあれ買いたてホヤホヤを早く聞きたかったから、CD読み込み機能がついてる古いMacBookと高音質のヘッドホンを機内に持参した上で(用意周到)(確信犯)
歌詞カード片手に、飛行機のノイズは完全にシャットアウトして、万全の体制で聴いたわけですよ。
んで数時間後。
そもそもMacBookはCDプレーヤー以外の用途で使うつもりなかったんだけど…
気づいたらメモ欄にこれをタイプし終わってた。
んでもう「当機はただいま着陸態勢に入りました」ってアナウンスが(笑)
おかげさまで機内上映とか一切見ずに香港までの快適な空の旅を過ごせたよ!
(久々に格安航空じゃなかったから、行きは座席にスクリーンあるのが嬉しかったのに。復路は座席スクリーンの存在感が0だった。)
確かに名盤だった。
.........。
「君が生きているその意味も価値も、この音楽で証明しよう」
このメッセージと共に2016年の1月に世に放たれたのが、
SKY-HI 2nd album 「カタルシス」。
TOKYOを舞台に、
主人公「僕」(=SKY-HI自身が投影されている)の目線から描かれる様々な場面。
ちゃんと、アルバムの初めから終わりまで、起承転結が、物語が見えた。
そしてその物語は様々なテーマを描いている。
死、夢、正しさ、フィクション、都会、別れ、過去...
探すこと、話すこと、聞くこと、見ること...
アルバム中に散りばめられた伏線が、
徐々に点在するテーマを、点と点を、つないでいく。
複雑に絡み合った線を最後に俯瞰で眺めてみると、
生きる意味とは?
という問いへの答えが見えてくるような...
そんなアルバム。
これが答えだ!
と押し付けるのではなく、
聴きている間に浮かんでくる様々なイメージや感情や、
聴き終わった後に心の中にブワァッと溢れるカタルシスや、
単純に音楽を楽しむという感覚から、
リスナーのひとりひとりが、それぞれの答えを見つけられるような...
そんな素晴らしいアルバムだと思った。
で、です。
まずは、曲単位の感想や細かい伏線で気づいた点をざっくりと書きます。そのあとに、複数の曲にまたがって出てくるキーフレーズを、それぞれまとめてみようかと思います。
SKY-HIさんも、「自分の作品に伏線を仕込むのが楽しい」と言っていたらしい。なんだったらリスナーとして、いくつか気づいたとこがあったんで、ちょっとここに書いてみようかなと。いろんな方が分析をされてたりするようですが、*番煎じだっていいじゃないか〜!
注*頑張ったけど、見落としている伏線とかいっぱいありそう。
「おま、そこの伏線は気づいてこれは気づかなかったんかい」みたいなのが大量にw
あと、いたるところで過大解釈とか発想の飛躍が見受けられますのでご了承ください笑
M1: フリージア 〜prologue〜
オープニングのストリングスが演出するドラマチックさが、まさに映画のオープニングのよう。何かすごいことが始まる予感でゾクゾクする。そこから、一瞬音が小さくなって、曲のイントロが始まるところが最高。
「眠らない街TOKYO」ってあるけど、これ、アルバム全体の舞台も東京なのね。(よく見たらジャケットにも東京タワーが写ってた。ジャケ写まで伏線にしてる…)
まだここでは一曲しか聴いていないから、伏線はそこまでわからない…
M2: Ms Liberty
マジでこの曲好き!ジャズっぽくてお洒落で好き!
M1の「同じ服着てるお嬢さん方 夢が夢を蹴落として誇らしげなナンバーワン」で描かれる世の女性像と、こちらで「フェイスメイクにネイルで周りとレース」してるMs Liberty以外の女性たちが重なる。
M3:スマイルドロップ
歌詞カードをしっかり読んで初めて、これが別れの曲であることにようやく気付いた。
ドロップって、キャンディーの方だと思ってて…(汗)「笑顔キャンディー」みたいな(ひどい読解力)
喪失感とか、虚無感を、ここまでアップテンポな曲調で表現してるのが、なんか、ある意味ニヒルというか何というか。かっこいいなぁ。
「カラスウリ」をさ、「からすぶり」(空・素振り)に聞こえるように発音してないですか?だからってどういうものでもないんだけど(汗)意図的なんだろうか。
M4:Countdown
M2の「自分が自分でいれるスペース (略) 君に寄り添うフレーズ」とこの曲の「頭の中のスペースに詰め込む 中身のないフレーズ」が、スペース&フレーズつながりで重なる。スページ(Space)は、空間と言う意味だけど、M2では『(自分の)場所』、M4では『(別れによって)ポッカリと空いた空間』というニュアンスが感じられる。つまり別れた彼女=Ms Li bertyなの?どちらにせよ、主人公がやけになって、「せめて今日くらいは」とクラブでパリピポしてる現実逃避曲が、この曲ってことなのかな。
Hookの冒頭二行は、行終わりがskyでhighなのね。遊び心。
このパーティーチューンのアウトロにピアノが入ってくることで、雰囲気がガラリと変わるLUCEへの布石としてる。特に最後の和音はCount Down単体で聴くとちょっと不自然な和音だけど、それがS5の最初のピアノ和音と繋がってるという素晴らしさ。
M5: LUCE
ということで、クラブでひとしきり飲んで、酔った帰り道、なのかなぁ。主人公は一人静かに「光る街」=繁華街を歩く。まだきっとアルコールが抜けない中、主人公の意識は昨日の女性との別れから、さらに過去の学生時代の友人との別れに飛んだのかな。
まず、ストリングスの音色がM1を思い起こさせる。最初と最後のフリージアと、中盤のLUCEとAs a Sugarでストリングスを使うことで、統一感が出る気がする。
「明日の予定とか」という部分:自殺した『お前』には明日が来ないけど、今生きている主人公には「明日が来る」という対比が見える。
もうこの世にはいない友人の最後の言葉を「あんま聞いてやれなかった」ことを悔いている主人公だからこそ、フリージアではリスナーに「ねえ話をしよう」と呼びかけているんだなあ。(この話またあとでします)
「夢の中でまた会えたら 照れ笑い見せてよまた」は、スマイルドロップ(M3)の「夢の中でならまた君に会えるからさ毎晩」と重なる。このアルバムにおいて、夢とは別れた人間(前に付き合った女性でもでも死んだ人でも)や過去に会いに行ける場所なんだろうか。
M6:As a Sugar
ヒーロー戦隊もので言ったら、これはある意味主人公の能力覚醒ソングな気がする。辛い別れを乗り越え、「孤独」から逃れるのではなく(M4では現実逃避している)「現実に立ち向かう戦士」に変身する、のかな。
それにしてもこの、覚悟と変化と自信とフラストレーションが混ざった曲のタイトルがAs a Sugar で、フックが Sweet as a Sugar (砂糖のように甘い)なのはなんでなんだろう。ここはまだわからない。甘くない人生を「甘い」と言ってしまうのはそれだけ主人公が強くなったからなのか。
M7:F-3
覚醒した主人公の言葉の矛先は理不尽な社会に向かう。その痛烈な風刺が含まれたパンチラインの威力たるや… きっとズバッと切り込んでいく主人公の姿を、周りが「俺の知ってるあいつじゃない」と言っているんだろうな。
あと、直前のAs a Sugarのトラックがクレさん提供で、続くこの曲でキックの「見えるもの全部見さしてくれ」をサンプリングしてるのがアツいよね。
「裏表隠し押し付けるジョーカー」はCountdownの「切り札のジョーカーも 裏面にしてたらただのカード」に重なる。あとはもちろん、ここはSilly Gameでサンプリングされたっていう。とんでもないタイミングで… Oh Mr. Trump...DAMN...
M8:Young, Gifted and Yellow
ここの「君」はLUCEの「お前」だろうか。「そっちの景色」は、天国のことなんだろうか。普通に遠くに住んでいる友人だったら「君のいない時代」とは言わないよね。
バース1は音楽関連の歌詞が多くて、学生時代から音楽好きだった主人公のノスタルジーが感じられる。きっと日高少年も渋谷のタワレコでお小遣い使って色々買ってたりしたんだろうか…
M9:明日が来るまで
彼女がいた幸せな時に戻っている。でもまだSeaside Bound前だから、ここで語られる景色も過去の回想なんだろうか。「こんな幸せばかり続くとさ 壊れる時を思って胸が疼くのさ」は、その後の別れへの伏線。
M10: Seaside Bound
「聞かなくてもわかる涙の理由」と「今の君が一番綺麗に見える皮肉」は、スマイルドロップの「最後の涙は見間違いかい」「変に聞こえるだろうけど 一番綺麗に思たんだ」と重なってる。つまり、スマイルドロップの昨日=この曲で海に出かけた日(=彼女と一緒にいた最後の日)で、スマイルドロップの「君」=Seaside Boundの「君」かな?
さて、ここの「逆さまのサンド」から、時間が巻き戻されます。ここの時系列、未だに混乱してるんですけど、巻き戻されて、パラレルワールドでやり直し、なのか、逆再生で時系列を遡っていくのか、どっち?インタビュー読んでると後者っぽいんだけど…誰か教えてください(汗)(知ったかぶりはしない主義)
M11:アイリスライト
現状ではSKY-HI一番のヒットシングル、になるのかな?アルバムの一部として聞いたら、特に2番の歌詞の意味がより具体的に響くようになった曲。
「戦うことは悪か正義か」の疑問文は、As a Sugar〜F-3にかけて現実と「戦う」ことを選んだ主人公自身にも向けられる。
また、As a...で主人公の怒りの対象だった「誰かから学んだ過去は価値のない刀」や「野次の刃」は、この曲で「君の嫌いなあいつも 大切な誰かの未来図を 作るため泣きながらナイフを 振りかざして自分も傷を負ってるのかも」につながっている。時間を巻き戻してもう一度振り返ると、As a... で主人公が戦っていた相手は主人公と同じように苦しんでいたのかもしれない、という気づきがある。
「流す血の赤」ってとこが、フリージア(M1)の「ヒーローが来てる服はいつも赤」に重なってゾクゾクっと鳥肌が立った。ゴレンジャーとかでいつもレッドはセンターだけど、その赤は実は敵の血の色で染まっているのかもしれない… 戦って、敵を傷つけている時点で、ヒーローだって完全な正義とは言えないんだな。
M12:カミツレベルベット
アルバムを通して聴くと、この曲の多幸感がハンパない。幾重にも覆いかぶさって締め付けられていた悩みとかネガティブから、ぶわぁぁぁっと、解き放たれる感覚。生きている幸福と、感謝と、希望が沸き立って鳥肌が立つ感じ。とにかく、この曲に関しては、歌詞の一つ一つが名言で、力強くて、心に染みるから…分析を放棄します(え)
ジャンケンのくんだりとか、洒落た言葉遊びでもあるし、ライブパフォーマンスでのお楽しみパートでもあるし、いろいろと考えてるんだなぁって(当たり前だw)強いて言うなら、「涙色の昨日」は、スマイルドロップとかSeasideに出てきた最後の涙のことだったりするんだろうか。あとは、『昨日枯れた花があるから 明日咲く花に会える』だから、ジャケ写のドライフラワーなのかなぁ。
M13:フリージア〜Epilogue〜
さあ、最後です。今まで普遍的に出てきた「探す」という単語。主人公が何を探していたのかが、この曲で明らかになります。
最後の曲になって気づいたけど、このアルバムで「愛」という名詞がちゃんと(カタカナとかじゃなくて)出てくるのって、フリージアの二曲だけなんだなぁ。動詞でも、「愛し合いたい」って歌詞がカミツレベルベットでようやく出てくるくらい。とにかく前半部は特に意図的に「愛」って言葉を使っていない気がする。
それこそ、スマイルドロップの「落っことしてった気持ちは」なんて呼んだらいいのかといえば、きっとなくしてた『愛』のことなんだろうな。だからこその「愛のない時代」に愛を「探す」ために、私たちは生きている。
J−POPはよく、「愛」について歌いまくっているけど、本当に「愛」を意識してる人や「愛」が一体なんなのかを説明できる人ってそんなにいないんじゃないか。そしてカタルシスを通して「愛」を探していた主人公=SKY-HIが、ようやく出した「その答えは」…
『創始創愛』という平和と博愛を歌った曲も収録された次のアルバム「OLIVE」につながっている。
死と生という、正反対のテーマを語っているようで、
カタルシスとOLIVEは地続きで繋がっている。
と、そういうことなんですかい?
さぁ、ここからはもうちょっと大きな伏線(って言うか、単なるキーワードのピックアップだけど)をまとめていきますよ〜書き出していったら、結構あった。この、キーワード・キーコンセプトの繰り返しも、世界観を統一する上で大事なんだろうなぁ…
天気
M1
- 曇り空、天気予報では午後に雨
M3
- 曇り空にため息混ざり通り雨、その後「雨上がり」
M10:
- 海に溶けるsunrise 滲むオレンジ
ちなみに、Seaside のMVでは意図的に曇り空の場面が使われている(ちょっぴり青空気味でも編集で曇りに見えるようにしている)。アイリスライトのMVも曇り。んで、カミツレベルベットでようやく青空が広がる。ビジュアル的にも、カタルシスをより感じられるようになる演出。
フィクション
M1
- ヒーローが着てる服は赤
M5
- 映画ならばひどい作品 でもリアルはもう少したち悪い
M7
- 遠い国で無くなるいのち よりドラマで泣くほうが気持ちいい
M9
- まあこれもお決まりのワンシーン
- まだ観てない映画のネタばらし
M11
- どんなカメラを使ったってきっと 心の中までは合わないピント
つまり(現実>フィクション)。現実とフィクションの対比って、このアルバムに限らずSKY-HIのリリックによく出てくるテーマだと思うのね。(チョウスーパーフィークショーン♪)TRICKSTERのMVもそうだし。
これに↑つながるテーマとしてもう一つあるのが、
夢、ワンダーランド
M1
- ここは愛も買えるワンダーランド
M2
- 追いかけても捕まえられないメリーゴーランド
M3
- 遊びに行こうか今夜とか
M4
- 正解のルート通りにしっかり走るゴーカート
M7
- どこまで決められるレール(ゴーカートのレール?)
- 薄めの仮面でマスカレード
ワンダーランドとか、夢は、現実逃避や別れた人(=過去)に会える場所。テーマパークは幸せに溢れていても、フィクションの世界。虚構は虚構であって、それ以上じゃない。
ナナイロホリデーの「夢の中なんかより現実は喜びにあふれてる」にも通じるものがあると思う。
色
M1
- いつもヒーローが着てる服は赤
- 皮膚の色や目の色 眼鏡に映ったまま
M2
- 赤いルージュの口づけで
M8
- Young, Gifted and Yellow
M10
- 海に溶けるsunrise 滲むオレンジ
M11
- グレーの歩道
- 白黒黄色流す血の赤 混ぜるアイはまだ足りないかな
M12
- 青い夜風 赤はとまれ 黄色の光まとってお洒落 白の誉れも黒のおかげ 僕らいろいろな色に染まれる ほらね緑色の木陰 吸い込まれて消えるグレーの弱音
M12ではM11に引き続き、赤、青、黄色、白、黒、と、五大原色が出てくるんだけど、そこにさらに 「ほらね緑色の木陰 吸い込まれて消えるグレーの弱音」があるんですよ…. これってもしかして…もしかすると….
緑 + グレー = オリーブ色!????(発想の飛躍)
「OLIVE」への伏線(or 予言)だったりするわけ!?怖いよSKY-HIさん!
(まぁカタルシスが完成する頃にはオリーブの構想もできてたらしいけどさ。)(でもカミツレができたのは2015年だよ!?)(まさかの予言癖発動か)
花
M1、M13:フリージア(花言葉:あどけなさ、純潔、親愛の情)
http://sakata-tsushin.com/oyakudachi/lesson/flower/post_74.html
M3:カラスウリ(花言葉:よき便り、誠実、男ぎらい)
http://blog.goo.ne.jp/21434higejiisann2/e/5bc7ff335d01d4b664bfd772aa1c9ec9
M11:アイリス(花言葉:伝言、メッセージ、希望)
https://ja.best-wallpaper.net/beautiful-iris-flowers-in-summer_wallpapers.html
M12:カミツレ(花言葉:逆境に耐える、苦難の中の力)
http://www.nagano-tabi.net/modules/enjoy/enjoy_95011009.html
何回だって踏み潰されて生きよう→カミツレは何度踏み潰されても花を咲かせる生命力の強い花。苦難の中の力って、パワーワードだよね〜
(余談だけど、カミツレだけは花言葉を元々知ってた。なんでかというと、私の大好きな有川浩先生の「図書館戦争」シリーズの図書隊のシンボルがカミツレで、この花言葉が作品のテーマとしてよく出てくるから。政府によって言論が規制されたパラレルワールドの日本で、書籍と表現の自由を守るために図書館が武装するようになる話なんだけど、もしかしたら日高さんも読んだことあるのかなぁ。私有川さんのツイッターもフォローしてるんだけど、有川さんと日高さん、すごい馬が合いそう。SNSで臆さず発言する姿勢とかw)
「探す」こと
M1
- 鏡の中いくら探しても見つからなくて
M2:
- 君を捕まえに行く
- (及び2016ホールツアーのサブタイトル「Ms.Liberty を探して」)
M3
- 落っことした気持ちは一体なんて呼んだらいいんだ
- 落としものを探しにいこう
M8
- 無いもの探しがまだ終わらない
M10
- 何度だって許されるなら探しに行く
M13
- 実を言うとこの僕も正しさが何かなんて この街をいくら探したってわからなくて
- 愛、夢、優しさに正しさ 僕は君に君は僕にそれを探した
- ”愛の無い時代” いや見えないからこそ探して生きるのさ
このアルバム全体で、主人公はいろいろなものを「探して」いる。その過程で、もがき、苦しみ、渇望し、時には逃げ、それでも探し続けている。正解はない。答えも見つからない。でも、それを「探す」ことこそが生きる意味なんじゃないか… 唯一、「生きる意味とは」という問いについてSKY-HIが答えっぽいのを提示しているとすれば、ここの部分かなぁと思っている。
正しさ と 正解
M4
- ハナからいらない模範解答
- どんな人生が正解? I don’t give a damn
M7
- 人が使う正義はトランプ 裏表隠し押し付けるジョーカー
M10
- 君の間違いを正解っていう形にする
M11
- 哀しさが生んだ涙 追い打ちかける誰かの正しさ
- 戦うことは悪か正義か
M12
- 正解があれば苦労しないさ
M13
- 正義の名の下に誰かが報復
- 実を言うとこの僕も正しさが何かなんて この街をいくら探してもわからなくて
まず、一連のラインが、OLIVEのWalking on Waterでも「正しさは分からないが正解はわかる」の部分と重なった。
正しさとか正義とかは、誰が決められるものでもないし探したって見つからない(M13)。でも、自分にとっての「正解」は自分で決められる(M10やWoW)。そして、誰かの決めた「模範解答」に沿って、周りから浮かないように、みんなと同じように生きるのは、自分にとっての「正解」とは限らない。
ただ、自分にとっての正解(or自分なりの正しさ)を人に押し付けることは、誰かを傷つけることもある。(M7やM11)
というようなメッセージを受け取った気がする。
あと、一連のラインでもう一つ思い出したことがあって、これまた「図書館戦争」ネタなんだけど、
「正論は正しい、ただ正論を武器にするのは正しくない」
っていう私の好きな堂上教官(主人公)(映画版では岡田准一くんがやった)セリフがあって、それを思い出した…ホントにSKY-HI図書館戦争読んでんじゃね!?(超希望的観測)
目・瞼・「見る」こと
M1
- もしもこの瞼が開かなければ
M2
- 他人の目に両手塞がれて
- 軽快なステップとやわらかな目
- 開いた目の先に僕がいたいわけだ
M3
- いっそ目を醒まさないで
- 空が眩しくて・少し腫れた目に刺さった
M4
- どうせ誰も見たことがない 「誰かの目」
M6
- 目を閉じてイメージ
M7
- 見えるもの全部見させてくれ 聞ける音全部聞かせてくれ
(ここが「見る」関連のテーマの総まとめな感じがする)(多すぎるので他は割愛)
M10
- 細い腕を掴んでは 目を閉じる
M11
- 世界の裏側までは見えないけど
M13
- ”愛を感じたい” いつだってそいつは見えやしないから
SKY-HIは視野の広い人だとは思っていたし、基本物事を多角的に見る能力を持っている(あるいはたまにそれが難しかったとしても、その重要性を知っている)人だとは前から思っていた。だから、カタルシスがこんなにも「見る」ということを意識したアルバムだと気付いた時は、私の直感も結構当たってたかもしれないと嬉しくなった。
あと、M7はアルバムに普遍的にある「見る」というテーマの総まとめのような曲だと思う。とにかく、目や「見る」という言葉に関連するワードがたくさん出てくる。社会問題は、しっかり目を向けないと、見えなくなってしまう。挙げ句の果てに、その問題自体がもう存在してないかのように錯覚してしまう。「キョウボウザイ」も、SKY-HIは「なかったことにしたくなかった」から曲を発表したと公言している。社会問題がいつも「風化」と隣合わせであることへの危機感を、彼は前から感じていたのかと思う。
つまり、
「見る」=目を開ける=現実から目を背けない。
苦しくって不甲斐ない現実でも生きて行く。
「見ない・見ようとしない」=「目を閉じる」
=現実逃避=ある意味での「死」。
見る=生 見ない=死 という構図ができてる。
それにつき、M7の「目を閉じて 深く深呼吸」っていうのは面白いラインで、目を閉じる=ある意味での死 と、 呼吸=生 という反対のことが同時に起きている。ただ、前にも書いた通りM6を主人公の能力覚醒曲=変身=ある意味での生まれ変わり の曲だと解釈すると、生と死が共存したM7の最初のラインも生まれ変わりを象徴してるのかもしれない。
ってか、普通に「目を閉じて 深く深呼吸」すると、ちょっと気分転換になったり、集中力が高まったりするじゃん?そういう気分の延長が、生まれ変わりなのかもしれない(発想の飛躍)(アゲイン)
「話す」こと 「聞く」こと
M1
- ねえ話をしよう
M5
- 聞いてやれなかった
M9
- 気が済むませ話してよ
- 聞かせて聞かせて
M13
- さぁ 話をしよう
誰かが隣にいた幸せな時(M9)は、何か悩み事があったらその人に全部聞いてもらえた。でも一人で抱え込んで苦しんでいる人(M5)はそれを吐き出すことができないまま、死を選んでしまうのかもしれない。死を選びかけている人がその選択から踏みとどまるには、その思いに寄り添った話ができる人の存在が一番。そして、カタルシスというアルバムは、その役割を担っているのかもしれない。
フリージアでは、M1では話しかけるようにに「ねぇ」だったのが、M13の二回目のサビ前では「さぁ」と、もっと意志の強い呼びかけとなっているのも面白い。
余談だけど、一時帰国中聴くことができたWalking on Wavesで、Logicをビートジャックした0570-064-556って言う「自殺」をテーマにした曲が独占オンエアされて(これマジで良かったからまた聴けるようにしてほしい涙)(後記:聴けるようになった!)。
そもそもLogicのタイトルが、アメリカの自殺防止ホットラインの番号で、SKY-HI版は日本のホットラインの番号になっている。んで、ここでも「その前に少し時間をくれないかい」というラインが何回も繰り返されていた。このラインは多分「(君と話をする・君の話を聞く)時間をくれないかい」という意味だと思う。だからあの曲はカタルシスの続きのように感じた。
と、いうことで。
いやぁ、長いっ!14000字!
ここまで読んでくださった方(いるのか…)貴重なお時間をこんなのにさいていただきありがとうございました。自己満で、とりとめもなければ終着点もない(しかもかなり抜けの多い)考察文でしたが、楽しんでいただけていれば幸いです。
全体的に、考察をしてみて思ったこと:
SKY-HIのメッセージ性ってブレないなぁ。
アルバム単位の伏線とか、ラインの重なりだけじゃなくて、別のアルバムの曲を思い起こさせるようなことも多々あって。「なんかこれ聞いたことある!」みたいな。まぁサンプリングの一環とも言えますが、SKY-HIのリリックって、(基本)ブレないからより信じられるなぁと思いました。
- アーティスト: SKY-HI
- 出版社/メーカー: avex trax
- 発売日: 2016/01/20
- メディア: MP3 ダウンロード
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とにかく。
本当、手に入れられてよかった。
1年前のアルバムだし、自分でも今更感強いですけど…
まさかとは思うけど、もし買ってない方がいたら…
買おう。
できればCDで買おう。
歌詞カードが手元にあるとより言葉を噛み締められるし、何より一生かけて楽しめる作品だと思うから。スマホのストリーミングデータで聴いた気になるなんて勿体ないよ。